大阪有機レストラン『レ・コッコレ』との交流

2011年10月初旬、日本人7人がスポレートにやってきました。今回は、この街にオフィスを置く私のアソシエーションICIGO(一期)が彼らと交流した時の様子を、少しお話します。

 

7人の日本人・・・というのは、大阪は本町にある有機レストラン『レ・コッコレ』のオーナー横田ともみさんを中心としたメンバー。レ・コッコレの常連さんばかりなので、当然、皆さんの関心は『食』であります。ウンブリアの食、自然、街を発見できる旅にしたいというコンセプト。現地の人とのふれ合いを通して、文化交流と日本の良さの再発見、というのもテーマでした。

モンテファルコのはずれのカンナーラにあるカンティーナDi Filippo
モンテファルコのはずれのカンナーラにあるカンティーナDi Filippo

食の発見ということで、連れて行ったのが、有機ワイナリー『Di Filippo』。このサイトでも度々ご紹介してきました。そこでのカンティーナ見学と交流会を兼ねた昼食会です。

今年は、夏の猛暑でブドウの収穫が例年よりも早かったので、ブドウの収穫はできませんでした。すでにステンレスタンクで発行中のカンティーナで、ワインの工程をエンマに説明してもらいます。

 

Di Filippoのカンティーナは、ここカンナーラとモンテファルコの2箇所。DOCGの規定で、サグランティーノやモンテファルコ・ロッソなどは、生産畑や加工場所、熟成場所も細かく規定されているから、ほとんどがココではなく、そちらで行われているそうです。

さて、畑に出ると、そこには見学用のブドウ畑が。グレケットとトレビアーノ種の実を味見。甘~い。糖度も十分。トレビアーノほうが、苦味がなかったですね。

 

この前いたアヒルたちは、もうほとんどいなくなってしまっています。

農閑期前に、つぶして食べてしまったんだって★

農業と家畜の関係を垣間見ました。

今日の料理は俺が作ったのさ。byアマデオ
今日の料理は俺が作ったのさ。byアマデオ

そして昼食会の始まり。

今日は、エンマ達の友人であるアマデオが、腕を振るってくれました。

 

 

まずは、香り高い地元のサラミとチーズの盛り合わせ。そしてアヒルのレバーのパテ。

グアンチャーレやパンチェッタなど、脂肪の多いサラミも味わいました。サラミ類にはきりっと冷えた白ワインのグレケットがバッチリ。

 

フルーティで品のある仕上がりになっています。チーズには、深みのあり、少しバニラ香のある樽熟成のグレケットが合いました。

アヒルのレバーを使ったパテ(左)とサラミの盛り合わせ。
アヒルのレバーを使ったパテ(左)とサラミの盛り合わせ。
ロゼとペコリーノ&カプラのチーズの盛り合わせ
ロゼとペコリーノ&カプラのチーズの盛り合わせ

プリモのペンネ。グアンチャーレにタマネギのソース。ねっとりした旨みをまとったソースがペンネの溝に絡みついて病みつきに。これ、最高!

脂肪分とタマネギの甘みには、ロゼの『Villa Conversino』を。メルローとサンジョベーゼのロゼです。

インは、黒トリュフのフリッタータ、白トリュフがけ。

タマネギのパルミジャーナ。

樽熟成したサンジョベーゼ(実の10%はアパッシメントしてます)のプロペルツィオは、十分守備範囲。プロペルツィオって、本当、適度に深くてナッツの香りもして美味。牛肉のステーキくらいまではいける味です。

 

サグランティーノも飲みましたが、やはりメインが少し軽すぎたので、少し相性は悪かったかな。よく熟成したチーズ(ジャムを少し合わせて)やジビエなどのガッツリしたセコンドが欲しくなりました。

 

ドルチェは、ヴェルナッチャ・ネーラのパッシートとロッチェッティというビスコッティ。 

39℃の高熱をおして作ってくれたアマデオ、ありがとう!!

参加者の心に残る昼食会でした。ワイン作りの工程も、初めて知った人が多く、食の現場に感動した模様。

 

そして最終日の午前中に行った野草のレクチャーとランチも、食を通しての触れ合い。ノルチャのあるネリーナ谷のとあるアグリツーリズモで行いました。

 

このアグリのオーナーでありオリーブ研究所の職員、はたまた植物博士であるアドルフォのレクチャーの始まり~♪

谷あいのアグリツーリズモ
谷あいのアグリツーリズモ

接木の仕方から、農園内にある100種類以上の果実のいくつかを紹介し、そして元気に生える野草の説明をしてくれました。詳細はこちらblogまで。

初めて聞く話に、レ・コッコレの皆はワクワク。目を輝かせて説明を聞いています。京都に住む庭師の方も参加していたので、いろんな質問が飛び交います。

 

脇には、農園で研究を受けているアリエールさんが。オーストラリア出身だそう。若いのに研修だって、すごいなぁ。次世代の農業を担う若い子たちにの成長に期待!!

そして説明を受けた野草を使って、料理をします。

すべて野草は洗われて下準備が整っていたので、あとはそれを千切ったりするだけ。野草って、実は洗浄が大変なんです。野草教室は、アドルフォの奥さまダーシーが。ニョッキを作るのは、アドルフォのマンマです。フリルの着いたシャツに角刈り、黒ぶちメガネ!!宮崎アニメに出てきそうな濃いキャラ母さん!

イラクサを使ったニョッキは、色が綺麗。皆でひも状に伸ばして、ナイフで切って行き、沸騰したお湯に投入すると、鮮やかな緑色になりました。

茹でたてに、葱とマジョラムで香り付けしたバターを回しかけます。ハーブの良い香りがあたりに広がりますよ。あぁ、早く食べたい!

こうして、皆で作った昼食会のはじまりはじまり。

まずは、ビッショレ(野生のチェリー)のシロップでアペリティーボ。

貴重です。まず普通のレストランでは、こんな代物、出てきませんよー。
甘みすっきり、チェリーの香りと味がしっかりする飲み物でした。

サラダは、8種類以上のいろんな野草が入っていて、香りのするものもあって、口の中がにぎやか。繊維質が豊富なので、少し前に味付けして、少ししんなりしたところを食べるのが、正しい『野草のサラダ』の食べ方。ニョッキのバターソースの油を、サッパリと流してくれるゴチソウですね。

もう一つ、カセッラという野草を茹でて、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノで炒めたもの。ほろ苦く、根っこの部分がちょっとホッコリしていて、美味。

ニョッキにパルミジャーノをふりかけて「頂きます!」
ジャガイモのほのかな甘みが広がり、ハーブの薫り高い最高のニョッキ。
口に含むと、3回くらい噛むだけで、すぅーっと溶けていく。おいしいです。

 

黒トリュフとアヒルの肝のパテは、濃いすぎず、ワインとよく合いましたよ。

そのワインというのは、Di Filippoのプロペルツィオです。なんとアドルフォとデイ・フィリッポのオーナーロベルト(エンマの弟)は、幼馴染み。有機農業を愛する二人は、繋がりがありました。

 

ドルチェは、プラムやチェリーのジャムをふんだんに載せたクロスタータです。
甘さがしつこくない、でも強烈な果肉の存在感ですよ。
それに負けないさっくりとした生地が絶妙で、いつまでも食べ続けたい絶品クロスタータです。
(写真の赤ちゃんはダーシーの息子4ヶ月とアリエール)

 

シンプルだけど、手作りで化学的なものが一切入っていない食。そして楽しい仲間の輪。それだけで、食卓は魔法の空間になります。

最後の日を締めくくる素晴らしいプログラムになりました。

 

料理を担当するのはダーシー。アメリカ人ですが、相当地元の野草については詳しいです。
料理を担当するのはダーシー。アメリカ人ですが、相当地元の野草については詳しいです。

私は、2年前から旅のツアーなどを個人で企画していますが、7人というのは今回が初めてでした。また地元の人との交流を主とした旅だったので、いろいろ企画の際に勉強もさせてもらいました。こうして無事に終えたこと、そして良い形で終えたことに本当に感謝します。来てくれた人にも、それを迎えた人にも、「ありがとう」と言いたいです。

 

ウンブリアやその他の地方の旅を考えている方は、是非、私までご一報くださいね。

butako170@hotmail.co.jp

個人の半日コースから団体の1週間まで、あらゆる旅のニーズにお答えします。

農業体験、ワイナリー巡り、生ハム工房巡り、観光など、今まで多くの方と共に、イタリアの現場で、感動を分かち合いました。あー、楽しかったな

Amici Vini Italiani

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